カブの話



なぜか車両部にカブの話がない。故障もしないし、ネタが無かったという事だろうか。まずは購入の経緯から書く。'95年の6月か7月だった思う。当事の通勤状態を考えて原付バイクを購入する事になった。過去に中型二輪免許(現普通二輪免許)を取得したが、飛ばしやの性格と、バイク急便というアルバイトをしていた関係であえなく取り消し。それ以来二輪免許は取得していないのである。必然と50ccしか選択幅は無い。50ccだと法定速度は30キロとなり、クルマと一緒の流れでもすぐに捕まってしまう。おまけに三車線以上の交差点では、2段階右折を強いられる。色々ネガティブな部分が多いが、50ccを買う事にしたのである。
この時点で二輪生活をやめてから7年ほど経っていた。二輪界の事に関しては相当疎くなっていたのである。まぁ〜それっぽいスクーターは盗まれるだろうと思い、丈夫で長持ちのカブと決めた。この決定は早く、揺らぐ事は無かったのである。ところが、カブは一番盗まれるバイクであったのだ。若者の間で、カブを改造して乗る輩まで出てきており、時代は変わったなぁ〜と感じたのである。それ以外にも盗んで輸出する需要が相当あるようで、私が想像した盗まれない、ダサいバイクという図式は崩れたのである。

購入店もすぐに決まった。当事自転車店を経営していた知り合いに、ショップを紹介してもらったところ、三つあるグレードのうち真ん中のデラックスが安く出せるという。ようは'94モデルをメーカーが安く販売店に供給していたのだ。新車だけど長期在庫車という事になるのかな。確か払った金額は14万円くらいだったか・・・それより安かったか・・・よく覚えていないのである。

めでたく納車となり、毎日通勤の足に使っていた。乗ってみるとこれが以外と味があって面白い。乗る楽しみというのも出てきたのだ。なるほど、若いヤツがカブに乗るのは、こういった、乗って楽しい部分もあるからなのだな。この時のモデルは3速50キロが事実上の最高速度で、もう10キロ出たらと、ささやかな不満もあったが、小さな二輪生活をエンジョイしていたのである。そんな矢先に、信号無視のハイラックスサーフに突っ込まれ、あえなく大破!!廃車となり、保険で全額弁済となったのだ。確か買って1ヶ月くらいだったと思う。そして、今乗っている、最上級グレードのカスタムが来たのだ。

このモデルになった事で様々な恩恵があった。一番はギヤが4速に増えた事だ。60キロの速度が余裕で出る。(出すと捕まるけど、エンジン回転数が低くなるのはありがたい)こいつは乗っていて最も快適になった事だ。後で解った事だが、カスタムにはリミッターが付いている。たった4.5馬力のエンジンなのにリミッターが付いているとはね。下り坂なんかだとリミッターを外しておけばメーターを振り切る。(捕まるからやらない)各ギヤも回転数が頭打ちにならずにややオーバーレブ気味に引っ張れるのだ。この50のカスタムはエンジンの設定も若干違うようで、カブマニアの間で話題になっていたな。

それからセルが付いた。納車前はこれが一番の恩恵かと思ったが、そうでも無い。しょっちゅう止まるならともかく、基本的に通勤使用だ。一旦エンジンをかけたら、目的地まで行き、帰るまでエンジンは掛けない。もちろんセルが付いているから使うけど、無くてもいいものだな。冬場、エンジンが冷えきっているとキックで掛けた方が早いしね。

デザイン的にも丸めのスタンダードなタイプの方が好きだが、50ccを買うのであれば個人的にはカスタムが一番いいかな?4速ギヤはいいですよ。

そういう状況で使っていたが、'94年10月に仕事を変えたため2004年の6月までの走行距離はたったの13000キロだ。現在は自宅と職場の往復で1日50キロ、1ヶ月で1000キロ〜1200キロのマイレッジを重ねている。2004 年が終わった時点で、1万9千キロを超えた。雨が降りそうな時はクルマで行くが、それ以外はカブで通勤している。都内の広い道を走るのは気を使うが、圧倒的にコストが安い。トレーラー業界に身を置くようになって、車通勤にシフトするつもりであったが、帰りの渋滞を考えると、朝の寒さを我慢してでもカブを使っている次第です。さすがに早朝はクルマで行った方が早いけど、やっぱり帰りの渋滞がなぁ〜・・・ジレンマです。

そんなハードな通勤事情に対応するため、2004年の12月にちょいとしたモデファインを行った。そろそろやろうかと思っていた時に、パンクしたので丁度よかったのかな?通勤途中にパンクするのは嫌だけどポジティブに考える事にしよう。

パンクを直しに、いつもの近所の自転車へ行った。タイヤも減ってきたので、チューブとタイヤの交換を頼む。するとプレス用のタイヤがあるというではないか。どこが違うかと聞いたところ、乗用車のタイヤに対するライトバンのタイヤのようなものだと解る。それなら多少なりともパンクに強いだろうと思い、若干高いがプレス用のタイヤに即決する。そして今はチューブも二重構造になっているとか・・・当然そのチューブにしてもらった。前輪はまだ変える時期ではないが、現在の使用状況を考えたなら、なるべく早くこの仕様に代えた方がいいだろう。毎日使うものをけちってはいけない。それなりに金をかけたって、クルマに比べれば高が知れている。

そしてこの時防寒対策を一つした。ハンドルカバーだ。ヤママルトというメーカーのものだが、これがよくできている。現時点で軍手+ハンドルカバーだけで十分な防寒対策になる。さらに寒くなったらどうなるかは解らないが、ハンドルヒーターでもつけようかな。


左:丸で囲んだ部分に釘のようなものが刺さっている。随分と細いものだから、今度のタイヤ&チューブなら、このくらいは耐えられるかな?中:装着する前のプレス用タイヤ&チューブ。右:このダサいと酷評されるハンドルカバーは冬の必需品だ。凄く重宝しているのである。



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